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デービッド・ベーコン
2007年6月11日
ZNet 原文

ブッシュ政権はどこのものであれ労働組合を嫌悪しているが、イラクでは組合を嫌う特別な理由がある。占領の経済アジェンダに反対している大きな勢力が労組 であり、とりわけ、アジェンダの中心にあるイラクの石油民営化に対する最大の障害となっている。同時に、戦争のさなかにそれでも毎日仕事に行かなくてはな らない何百万人ものイラク人にとって、少なくとも生き延びるために必要な生活水準を維持しようと活動している唯一の勢力が労働組合なのである。

今週、飢餓ラインの収入と石油詐欺に対するイラク人の怒りが爆発した。6月4日月曜日、イラク労組の中でも最大で最も活発なイラク石油 労働組合連合が、イラクの石油を公共の手から譲り渡さないよう呼びかけ、また約束した経済制作を実現するよう政府に求める期限付きストを始めたのである。 イラク南部の石油採掘装置からバグダード最大の精製所に石油を運ぶパイプラインの労働者が仕事をやめた。とてもささやかな職場闘争で、イラク経済の機能に 大きな影響を与えないよう配慮したものだった。

イラク首相ヌーリ・アル=マリキはそれに対して軍を出動させ、バスラ近くのシェイバでスト参加者たちを取り囲んだ。その上で彼は組合の 指導者たちに逮捕状を発行した。6月6日水曜日、組合はストを6月11日まで延期した。労働争議はそのとき再開できただけでなく、石油採掘現場自体の操業 停止、あるいは石油輸出の停止にさえ簡単に発展しかねなかった。それはバグダードのマリキ政権を維持している収入の流れを止めることになる。

石油労働者が要求している事項のいくつかは、占領下でイラク人労働者がおかれた絶望的な状況を反映している。労働者たちは、雇い主であ るイラク石油省に対し、賃上げと約束通りの休暇、そして数千人に達する一時雇用職員の正規雇用を求めている。住宅が大規模に破壊され、少なからぬ労働者が 荒廃したむき出しの状況で暮らしている国で、労働組合は政府に、家を建てるための土地を提供するよう求めている。毎年、石油研究所は奇跡のように授業を続 けて技師を育てているが、戦争で破壊されたイラクの石油産業には技術労働者がどうしても必要であるにもかかわらず、石油省は卒業生に仕事を提供しようとし ない。労働組合はこうした若者たちに仕事と未来を要求している。

けれども、そうした基本的要求をもしのぐ一つの要求は、イラク石油産業全体を海外企業の手に渡す石油法の再考である。そしてこの要求の ために、米軍のジェット戦闘機さえもが出動し、スト参加者がデモを行っている現場上空を旋回する。イラクでは、敵意を持った軍用機が上空を旋回している事 態は、地上の人々に対するただの脅迫を意味しているわけではない。こうした行為はイラクでは遙か以前から、組合活動を弾圧するためにイラク政府や占領米軍 により続けられてきたのである。

イラクには労働組合活動の長い歴史がある。組合活動家は、英国とその傀儡王政のもとで禁止され投獄されながらも、労働運動を組織してき た。1958年にイラクが独立してから、それはアラブ世界の賞賛の的となった。後にサダム・フセインの弾圧により組合指導者たちは地下に潜ったが、見つけ 出された人々は殺されたり投獄された。

サダム政権が崩壊してから、イラクの労働組合活動家は、労働組合運動を再建する決意で監獄を出て、地下から姿を現し、亡命生活を終えて 帰国した。まるで奇跡のように、戦争と爆撃のさなかで、これらの人々は組合を再建したのである。南部の石油労働者組合は今やイラク最大の組織の一つであ り、採掘施設とパイプライン、精製所に数千人の組合員を擁している。電気労働者組合は女性(ハシメヤ・ムシン・フセイン)が組合長を務める最初の全国労働 組合である。

鉄道やホテル、港湾、学校、工場の労働組合とともに、これらの組合はストを行い、選挙を実施し、賃上げを勝ち取り、民主主義を日常に生 かしている。それにもかかわらずブッシュ政権と傀儡のバグダード政府は団体交渉を法律で禁じ、組合の資金を押収し、イラク労働組合指導者に対する暗殺の波 から目を背けている(目を背けるよりもっと悪いこともしている)。

ブッシュ米大統領は民主主義を望むと口先で言うが、イラクの人々が一致して求める政治的要求を決して認めようとしない。イラクの人々は、石油(そして発電所と港湾などの主要施設)をイラクの人々の公共の手においておきたいのである。

イラクの労働組合が最も強くこれを求めて声を上げていることから、米国はイラクの労組を忌み嫌うことになる。ブッシュ政権は民主的手続きを口先で重視すると述べながら、実際にはイラクの石油を巨大企業に売り払うことの方が遙かに重要なのである。

イラクの石油は1960年代、中東の他の国々と同様に国有化された。イラクの石油労働組合はそれ以来現在に至るまで、石油産業を最も強固に守ってきた組織だった。

2003年、占領行政当局との間で入札なしのなれ合い契約を結んだハリバートン社が米軍兵士に続いてイラクに乗り込んできた。ハリバート ン社は油田と採掘施設を支配しようとして、イラク人労働者を屈服させるために再建支援金の支払いを停止した。石油労働者組合はその年の8月に3日間のスト を行い、輸出を止めて政府収入を遮断した。ハリバートン社はイラクから撤退した。

石油労働者組合と港湾組合は、また、同様のなれ合い契約で乗り込んできた海外企業をイラクの深海港湾施設から撤退させた。ムシンを代表とする電気労働者組合は今も、発電所の民営化に道を開く下請け化を阻止しようと闘っている。

占領軍はつねに経済的なアジェンダを持っていた。占領当局のツァーであるポール・ブレマーは、売却する予定の公営企業の一覧リストをバグ ダードの新聞に発表したことがある。アラブの労働組合指導者ハセネ・ジェマムは敵意を込めて次のように語ったことがある。「戦争により民営化が楽にでき る。まず社会を破壊し、それから私企業に再建させる」。

ブッシュ政権がイラクから撤退しない理由の一つは、経済アジェンダがまだ安定していないからである。米国政府の指示のもとでイラク政府 は新たな石油法を人々から隠したまま立案した。石油屋のジェームズ・ベーカーが率いるイラク研究委員会はそれを占領を終わらせるための鍵と呼んだ。

米国メディアはこの法律を、石油の富を公平に分けるものだとべた褒めした。イラクの労働組合はこれを世界最大の埋蔵量を誇る油田地帯の一つにおける石油開発をこれから外国企業に支配させるものと述べている。

イラク石油労働者組合の代表を務めるハッサン・ジュマー・アワドは5月13日、米国議会に手紙を書いている。「石油法がイラクの人々のた めにならないことは誰もが知っています」と彼は警告する。労働組合は秘密交渉から排除された。ジュマーによると、その結果は「ブッシュとその支持者たち、 そして外国企業の利益のためにイラクの人々を犠牲にする」ものである。この法律が実施されれば組合はストに入るとジュマーは警告した。

ほかのイラク人労働組合活動家と同様、ジュマーもまた、イラクの石油を代価として要求することなしに占領を直ちに終わらせるべきである と述べる。「アメリカ合衆国は、自分たちは私たちの資源の支配者としてではなく、イラクの解放者としてイラクにいると主張しているはずです」と彼は米国議 会に指摘する。米国議会で戦争に反対する勢力がイラクの人々の敬意を勝ち取ることができるとすると、それは彼ら彼女らが石油法を否認した場合のみである。

占領が終わったときにイラクの政権がどんなものであれ、破壊された国を再建するためには石油の富を手にしている必要がある。それゆえ、イラクの労働者たちには、石油を手放さないよう闘う大きな理由がある。

デービッド・ベーコンはカリフォルニア在住のフォトジャーナリストで、労働問題や移民、グローバリゼーションなどを扱っている。新著「Communities without Borders」はコーネル大学出版局/LR社から発売されたばかり。

Falluja, April 2004との同時掲載です。米国 がイラクを侵略した理由についてはいろいろな議論があります(何を議論しても侵略占領が国際法に違反したむき出しの犯罪であることには変わらないのです が)。「石油」はその一つ。それが侵略の主要因であろうとなかろうと、不法な侵略と占領のもとで米国はイラクの石油を盗み取ろうとしており、それにイラク の人々が反対の声をあげています。関連した議論については、拙訳『ピーク・オイル』(リンダ・マクウェイグ著・作品社)を、石油と環境の情報については『ピーク・オイル・パニック』(ジェレミー・レゲット著・作品社)をお読みいただけますと幸いです。

■トークイベント・『生きさせろ!』

【日時】 2007年6月18日 19時~21時(18時半開場)
【会場】 FORUM8 (渋谷駅より徒歩10分)
  所在地:東京都渋谷区道玄坂2-10-7 
  TEL:03-3780-0008
  地図
【ゲスト&パネリスト】
  雨宮処凛(作家)
  池田一慶(ガテン系連帯)
  河添誠(首都圏青年ユニオン)
  今野晴貴(NPO法人POSSE)
  湯浅誠(NPO法人もやい
  ※その他、追加ゲストあり
  ※「もやい」さんは東ティモールコーヒーを焙煎・販売しいます。
【入場料】 500円

■「フリーターズフリー」トークイベント

【日時】 2007年6月24日(日)午後5時~(開場4時半)
【場所】 立川・オリオン書房ノルテ店ラウンジ
【パネラー】 雨宮処凛×貴戸理恵×栗田隆子×大澤信亮
【入場料】 500円
【要事前予約】 「参加ご希望の方は恐れ入りますが、
 ノルテ店店頭・電話・メールにて席のご予約をお願い申し上げます。
 オリオン書房ノルテ店 担当:白川(shirakawa@orionshobo.com)
 東京都立川市曙町2-42-1パークアベニュー3F
 TEL 042-522-1231
 http://www.orionshobo.com/

■反-貧困 ANTI-POVERTY CAMPAIGN

【日時】 2007年7月1日 13:00 開場 13:30 開会(~16:30)
【場所】 社会文化会館 (東京都千代田区永田町1-8-1)
  地下鉄丸の内線・千代田線、国会議事堂前駅出口1・2より
  地下鉄有楽町線、永田町駅出口2より
  半蔵門線・南北線永田町駅出口3より
  集会終了後、赤坂方面にパレード
【資料代】 500円
  要約筆記・手話通訳あり  【主催】 反貧困ネットワーク準備会

■自衛隊による市民の監視

米軍再編ってどうよ?をご覧下さい。また、許すな!憲法改悪・市民連絡会に抗議声明があります。

■辺野古情報

辺野古からの緊急情報
基地建設阻止
ちゅら海をまもれ!辺野古で座り込み中

■戦争は教室から始まる <学校の戦前戦後、断絶と連続>
 第6回(最終回)「軍国少女を生きて」

【お話】 北村小夜さん(元教員)
【日時】 2007年6月30日(土) 午後2時から
【場所】 かながわ県民センター 711号室
  横浜駅西口から歩いて5分
  地下鉄出口8から地下街をとおり、中央モールを左折し、
  北6出口を出て徒歩2分
【参加費】 500 円
【主催】 「日の丸・君が代」の法制化と強制に反対する神奈川の会
  (連絡先090-3909-9657)

6・20 アジア労働者交流集会in神戸
 ~韓国・フィリピンから反基地活動家を迎えて~


【日時】 2007年6月20日(水)午後6時30分~
【ゲスト】
 韓国/ユ・ジョンソプさん(インチョン平和と統一を開く人々 事務局長)
  イ・ホドンさん(民主労総 解雇者復帰闘争特別委員会委員長)
 フィリピン/ルスビミンダ・イラガンさん(女性団体ガブリエラ)
【場所】 神戸市勤労会館多目的ホール
【会費】 1000円
【主催】 アジア労働者交流集会in 神戸実行委員会
  神戸学生青年センター(851-2760)/兵庫社会労働運動センター(361-3613)
  /自立労連神戸支部(aluikobe@yahoo.co.jp)

■ワシントン・ポスト紙に「従軍慰安婦(制度例)強制文書否定広告

「村野瀬玲奈の秘書課広報室」ブログに情報があります。自民党議員が29名、民主党議員が13名、無所属2名にその他が3名。「慰安婦強制の文書ない」という妄言を広告したものです。

■どうなっているの? 六ヶ所再処理工場 七夕学習会

【日時】 7月7日(土)12時30分会場・13時~16時30分まで
【会場】 明治大学リバティタワー1001教室(B1)
【資料代】一般1,000円/25歳以下600円
  事前予約は当日100円割引!(受付は7/6まで)
  予約受付専用メール:shirukai0707@yahoo.co.jp
【ゲスト】宮川俊晴さん(原子力事業関係者、青森県在住)
     小出裕章さん(京都大学原子炉実験所)
【賛同・カンパも募っています】
  郵便振替口座:00140-3-63145
  加入者名:原子力資料情報室
  通信欄に7月7日七夕大学集会 賛同の旨、
  賛同個人、団体名、連絡先等を明記ください。
  (領収証が必要な場合はその旨ご記入下さい。)

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