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(Asano Ken'ichi Page) 

アレン・ネルソン氏©浅野ゼミ

 ベトナム戦争の経験者であり、沖縄基地反対運動も熱心に行っている、アレン・ネルソン氏が7月12日(木)、同志社大学今出川校地新町校舎で講演会を行った。
 主催は社会学部メディア学科と同志社大学社会学会。ネルソン氏は、自らの泥沼の戦争体験をもとに、戦場での現実について語った。

 戦争は、映画と違って、腐乱臭にまみれたものであること。敵に撃たれても、即死できる可能性は低く、数時間苦しんだ後に死んで行くこと。逃げ遅れる高齢者、女性、子どものこと。死体を積み上げ、もげた体の部品を拾い歩くこと・・。

 ネルソン氏は、いかに本物の戦争がおぞましいかを聴衆に語りかけた。そして同時に、その戦争に行かせられるのは、権力者たちの息子ではなく、最も貧しく、兵隊になるしか術がない人々であるのだ、と述べた。

 彼は戦争を体験した後、自分自身も除隊後にPTSD(戦争後遺症)に悩まされ、家族との不和や、ホームレス生活を経験している。自分の苦しみを乗り越 え、今は同じような境遇に未だ苦しむ人々や、戦争に行かざるを得ない若者たちのケアに当たっている。「アメリカのホームレスの80%はベトナム戦争経験者 である」とネルソン氏は言う。いかに戦争が人の人生を狂わせるのかは、明らかである。

 ネルソン氏は「日本は米軍に今も占領されている。米国の第51番目の州のようだ。日本政府に何かを頼んでも意味がない。米大統領に要請した方がいい」と言い切った。

  今、日本では、改憲が政治で争点となっている。憲法第9条を変えることが、安部政権の大きな目標であるが、ネルソン氏はこの改憲案に対し、異論を唱える。 彼は、改憲の動きをどう思うかと聞かれ、こう答えた。「日本の憲法第9条を見た時、私は衝撃を受けた。軍隊を持たず、戦争をしないという宣言は、大変すば らしく貴重な憲法である。国が憲法を守る事は当たり前であり、外国からの干渉も受ける必要などない。なぜ今、日本政府は憲法に違反して、米国の要請でイラ クへ自衛隊を出し続けているのか疑問だ」。

 戦争の恐ろしさを、身を持って知る人の言葉である。ネルソン氏は「暴力では社会をより良い方向へ変えることはできない」と強く訴えた。過去の過ちに遡るようなこの9条改憲は、時代のあるべき流れに逆らっているのではないか。

 この日の講演会には、同志社大学の学生以外にも、ベトナム人を家族に持つ方や、新聞記者、他に多くの一般の方々も訪れた。それぞれが講演に感銘を受け、講演会終了後には、ネルソン氏に、握手と本にサインを求める長い列ができた。

 (浅野ゼミ3回生・戸田菜津子)

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